「デザインの勉強はしてきた。ツールも使えるようになった。なのに、仕事につながらない」
そんな声を、私はこの数年ずっと聞いてきました。
こんにちは、ソンイです。株式会社FILLMANの代表としてデザイン制作の仕事をしながら(これまでの制作実績は1,000件以上)、デザイナー向けの講座も運営しています。
先日、私の講座の受講生さん30名に「クライアントワークの悩み」について、本音のアンケートを取りました。この記事では、その結果を包み隠さず公開します。
これからデザインを仕事にしたい方は「悩んでいるのは自分だけじゃなかった」と分かるはずですし、すでに活動中の方は自分の現在地を確認できるはずです。
※回答は、ご本人が特定されないように一部表現を加工しています。
駆け出しデザイナー30人に聞いた「リアルな悩み」ランキング
まず、回答してくれた30名の状況はこんな内訳でした。
- 継続的に案件を受注中……11名
- 単発で受注した経験がある……8名
- 未経験だけど仕事にしたい……9名
- 今は考えていない……2名
約6割はすでに受注経験がある方たち。「勉強中の人の漠然とした不安」ではなく、実際に仕事をして、実際にぶつかった悩みが集まっています。
その悩みランキング(複数回答)がこちらです。

| 順位 | 悩み | 人数 |
|---|---|---|
| 1位 | どうやって案件を獲得すればいいか分からない | 17名 |
| 2位 | そもそも自分が仕事にしていいのか不安 | 12名 |
| 3位 | 自分のデザインに自信が持てない | 8名 |
| 4位タイ | 見積もりの出し方が分からない | 5名 |
| 4位タイ | 継続案件につなげる方法が分からない | 5名 |
| 4位タイ | どこまで対応すべきかの線引きが分からない | 5名 |
| 4位タイ | ヒアリングで何を聞けばいいか分からない | 5名 |
| 8位タイ | 納品までの進め方/料金設定/提案文・営業文の作り方 | 各4名 |
30名中17名。半数以上が「案件獲得」でつまずいているという結果でした。
意外だったのは「技術の悩み」がほぼゼロだったこと
このアンケートで私がいちばん注目したのは、ランキングに入った項目ではなく、入らなかった項目です。
「配色が分からない」「レイアウトが決まらない」「ツールが使いこなせない」——いわゆるデザイン技術そのものの悩みは、ほとんど出てきませんでした。
悩みを整理すると、大きく3つに集約されます。
- 集客……案件の獲得、営業、実績の見せ方
- マインド……自信のなさ、「自分なんかが」という気持ち
- ルール決め……対応範囲の線引き、見積もり、料金設定

つまり、駆け出しデザイナーの壁は「デザイン力」ではなく、ビジネスの設計なんです。
これは私の実感とも完全に一致します。デザインスクールも教材も「作り方」は教えてくれます。でも「仕事の取り方」「値段の付け方」「お客様との約束の決め方」は、誰も教えてくれない。ここが空白地帯になっているんですね。
30人の「生の声」を一部紹介します
アンケートには、思わず「分かる……」と唸ってしまう声がたくさん寄せられました。いくつか紹介します(表現は一部加工しています)。
クライアントワークについて、何が分からないのかを整理できていない状態です。納期の目安、料金設定、受けられる業務範囲、修正回数……基本的な基準が分かりません
複数の方が同じ趣旨のことを書いていました。「何が分からないか分からない」——これは経験不足のせいではなく、体系的に学ぶ場所がないことが原因です。
低単価のまま修正回数や対応範囲を決めずに受注してしまい、修正が増えて双方疲弊。納品後も追加対応を求められ、どこまで無償でやるべきか判断できませんでした
いわゆる「修正地獄」です。これは受注前のルール決めでほぼ防げるのですが、駆け出しの頃はその決め方自体を知らないので、善意で対応し続けて消耗してしまいます。
LPを長さに関係なく5万円で受けていて疲弊。内容を見直して10万円に上げたら『高い』と言われて、値段が迷子になりました
料金の悩みも根深いです。安すぎれば疲弊し、上げれば失注が怖い。「相場」と「自分の価値」の間で身動きが取れなくなるパターンですね。
初稿を提出したあとに根本からのイメージ変更を希望されて、料金が上がると伝えたら『信頼なくすよ』と言われました
これは読んでいて胸が痛くなった声です。本来は追加料金が発生して当然の場面なのに、経験が浅いと「自分が悪いのかな」と受け止めてしまう。知識がないと、自分を守れないんです。
処方箋——悩みTop3に、プロとして答えます
ここからは、上位3つの悩みに対する私の答えを、要点だけお伝えします。
① 案件獲得は「営業力」ではなく「見つけてもらう仕組み」
「営業が苦手だから案件が取れない」と思っている方が多いのですが、私は逆だと考えています。デザイナーの案件獲得は、売り込みに行くより、見つけてもらう状態を作る方が圧倒的にうまくいきます。
具体的には「誰に・何を提供できる人なのか」を発信で明確にして、実績を見える形で置いておくこと。この設計ができると、営業をしなくても「あなたにお願いしたい」という依頼が来るようになります。

詳しい方法は、別の記事でじっくり解説します(近日公開)。
② 「自分が仕事にしていいのか」の答えは、資格ではなくお客様が決める
デザイナーに資格はありません。では何が「プロ」を決めるのか。目の前のお客様の課題を解決できたかどうか、それだけです。
完璧なスキルが身についてから始めよう、と待っていたら一生始められません。今のスキルで解決できる課題を持っている人は、必ずいます。「まだ早い」と感じているうちの一歩が、実はいちばん大事な一歩です。
③ 線引きは「感じの悪いこと」ではなく「プロの誠実さ」
修正回数、対応範囲、追加料金の条件——これらを受注前に決めて伝えるのは、冷たいことでも失礼なことでもありません。むしろ逆で、お互いが気持ちよく仕事を終えるための、プロの誠実さです。
条件が曖昧なまま進めば、最後に必ずどちらかが我慢することになります。それはお客様にとっても不幸なことです。受注前に決めるべき具体的な項目は、次の記事で詳しく解説します(近日公開)。

まとめ:悩みの正体は「ビジネス設計を学ぶ場所がないこと」
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 駆け出しデザイナー30人の悩み1位は「案件獲得」(17名)、2位は「自分が仕事にしていいのか不安」(12名)
- デザイン技術そのものの悩みはほぼゼロ。壁は「集客・マインド・ルール決め」の3つ
- つまり必要なのは、デザインの勉強の「その先」にあるビジネス設計
私自身、1,000件以上の制作を通してこの3つを体当たりで学んできました。そして今は、その答えを体系化して「デザイナーブランディング講座FILLMAN」でお伝えしています。
「デザインを仕事にしたいけど、何から始めればいいか分からない」という方は、まずこのメディアの他の記事から読んでみてください。あなたのつまずきに合わせた答えを、これから1つずつ記事にしていきます。


